外国映画DVD店

まず内容に関して、映画監督である主人公ニックの「過去の恥ずか
しい体験」、聖書の「木の実」を食べてしまったアダムとイブの話、
ニックがイタリアロケで犯した過ち、などが重ね合わせ描かれるの

ですが、どうしてそういう自伝的な「恥ずかしさ」を見ている人に
つきつけたいのか、理解できません。（ JRM の登場する過
去シーンの居心地の悪さは、俳優の演技がまずいのではなくむしろ
脚本通りだと思います。）

つぎに、キャッチコピー等に、「官能」だの「究極のセックス」だ
のの言葉が振りまかれ、思わせぶりなジャケット写真になっていま

すがポイントがずれていると思います。売らんがためのセールストー
クなのでしょうか。もちろん、題材は「性と死」（もしくは「生と
死」）ではありますが、はぐらかされてしまいます。僕は哲学が上
等で、エロが下等だとは思っていませんから、エロを期待してはず
されたときの、この不愉快な気持ち（笑）は断固訴えたい。この期

待はずれがなかったらもう少しいい評が書けたと思いますよ。アイ
ズ・ワイド・シャットも同罪ね。

最後に音楽ですが、フィッギス監督はショパン好きなんでしょうか。
エンドロールには曲ごとに冒頭のピアノ譜までついてます。絵にあ
ってますし、きれいな音のピアノなんですが、ショパンの嫌いな僕
とはまったく趣味が合いませんでした。
神秘的
　人間の根源的欲求である「性欲」に惹かれる人間、その魅力によって滅ぼされる人間。そんな私達の真の姿を風刺したこのこの作品は奥が深く、その分、難しいです。プロットを必死で追うよりも、視覚的にこの作品を見ていったほうが、楽しめるし、わかりやすいと思います。

　作品の中で、一番知られているのはジョナサン・リース・マイヤーズですが、『眺めのいい部屋』のジュリアン・サンズの演技の方が素晴らしい。『リービング・ラスベガス」を思わせる、妙な香りを出していて妙。
深い・・
　人間の根源的な欲望である『性欲』について、アダムとイヴの時代から、現在にいたるまで、それに悩まされ、惹かれ、滅ぼされてしまう。そんな「性」に関して我々が持つ、未だに謎めいた感情、概念というものを、素直に風刺、表現してる作品・・・深い。プロットを楽しむのではなく、視覚的に見ていったほうがわかりいいと思う。

　この映画によって、私達が心の奥に秘めているものや、未だに解決できない、私達人間に関する謎の本質を、ちらっと覗かせてもらえたような感じがする。
　ただ、ジョナサン・リース・マイヤーズの存在が煩わしい。自分の役どころをわかってないで演じてるような感じ。