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[ DVD ]
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秋のソナタ [DVD]
・イングリッド・バーグマン
【ハピネット・ピクチャーズ】
発売日: 2000-04-25
参考価格: 5,040 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,500円〜
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・イングリッド・バーグマン
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カスタマー平均評価: 5
イングマール・ベルイマンの母娘劇 ノルウェーの田園で暮らすエバァは夫ヴィクトールの牧師館に、著名なピアニストの母シャルロッテを招いた。
夜更けとなりエバァは、子供の頃の母に対する怒りをシャルロッテに爆発させた。
シャルロッテはエバァの思いを受け入れたように見えたが、その翌日には帰路に着くのだった。
この映画は、人の心のひだに刺さった棘を拡大鏡で見るような、心痛の原因を解析して公開するような、観客がいたたまれなくなる映画である。
母と娘の絆を問う傑作。
重々しいショパンの調べ スウェーデン出身の大物女優イングリッド・バーグマンを起用したことでかなり興行を狙った作品なのかもしれない。今まで割りと2枚目役で登場することの多かったリブ・ウルマンが、丸眼鏡をかけた内向的なジミータ娘を好演している。(ヨンさまは登場しないので念のため)
家族よりもピアニストとしてのキャリアを選んだ母親シャルロッテ(イングリッド・バーグマン)。退行性脳性麻痺を患っている妹ヘレナに会わせるべく、エヴァ(リヴ・ウルマン)はシャルロッテを家に招くことにした。
この映画で紹介される親子の関係は、最初からものの見事に破綻している。エヴァが母親を家に招いた理由も、過去の罪に良心の呵責を覚えさせるためであり、エヴァにさんざんなじられたあげく逃げ出すように帰っていったシャルロッテも、「あんな娘(ヘレナ)死んじゃえばいいのに」という残酷な言葉をふと漏らしたりする。
母と娘の人生はどこまでいってもパラレル状態であり、けっして交わることも和解することもない。重々しいショパンの調べが、湖に映る鉛色の空のようにすっきりしない両者の関係を、より不安定にしているようだ。
私はただ、己の信じた道を生きてきただけ。 中年期を過ぎても尚、瑞々しい聖女の様な美貌を失わない女優イングリット バーグマン主演の名作、映画(ガス塔)(追想)で2度のアカデミー主演女優賞を獲得しているスターの演技力が光っています。
実生活でも30代で当時、医者であった1度目の夫と一人娘を捨ててイタリアに渡り、不倫の末に新進の監督ロベルト ロッセリーニと再婚、アメリカを追放された彼女は成人をするまで娘のピアに会えませんでした、にもかからわず、今回の作品で夫と娘をないがしろにし、自分最優先で生きてきた母親役を演じるにあたり、こんな母親が実在する訳がないと信憑性について監督に意見し、監督を唖然とさせたのは有名な話です、悪意なく己の夢に突き進む、しし座の彼女に相応しい生き様ですね、実際、この役は実生活での彼女の姿に最も近いのではないでしょうか?。
母と娘、知られざる確執 ハリウッドの黄金期を代表する女優イングリッド・バーグマンの最後の映画作品。しかし、強調する点は本当にそこなのか。 映画の中で発せられる台詞のどれもが、まさに現実の母と娘のやりとりのようで心に突き刺さります。血が繋がっているとはいえ、深いところで起こっている確執が時にあふれんばかりに吹き出し、とめどもない涙に変わります。 ベルイマン映画の女優L.ウルマンの長い台詞は、見る方を捉えて離しません。圧巻でした。台詞でここまでものを言わせる映画はこれが初めてです。 90分弱の小さな作品ですが、見応えはたっぷりです。必見としましょう。
感動した映画の1つ この映画は教育TVで観ましたが涙がでるほど感動しました。 そしてこの監督をこの映画で初めて知り興味を持ちました。 母と娘の辛い話ですが、涙を流しながら観ました。 私はこの映画をお薦めします。
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[ DVD ]
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パッチ・アダムス コレクターズ・エディション [DVD]
・ロビン・ウイリアムズ ・モニカ・ポッター
【ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン】
発売日: 2004-01-30
参考価格: 1,575 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,500円〜
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・ロビン・ウイリアムズ ・モニカ・ポッター
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カスタマー平均評価: 4.5
理想と手段の狭間 患者を番号ではなく名前で呼び、QOL(生命/人生の質)を高めることを目指して、貧しい人にも分け隔てなく医療活動を施そうとするパッチ・アダムス医師。この映画は実在するアダムス医師の手記に基づいた作品とのことです。
パッチ・アダムスが目指すのは患者の目線に立った医療です。彼が映画の終盤で語る次の言葉は印象的です。
「I want to become a doctor so that I could serve others.」
彼は患者に対してhelp(援助)するとは言わず、serve(奉仕)したいというのです。医師と患者が、医療技術を与える人と受ける人という上下の関係ではなく、医療サービスを提供する人とそれを利用する人という対等の間柄であることを目指す彼の姿勢が見て取れます。
硬直した医療現場に対して、彼の行いはあたかも池に放り投げた小石のように、最初は小さな、そしてやがて大きな広がりを持ったさざ波となっていきます。
しかし私はこの映画の脆弱な点を指摘せざるをえません。
彼は医師免許もないままに貧しい人々に大規模で計画的な診療活動を行なってしまいます。崇高な理想のもととはいえ医師でない者がこうした行為に及んで、仮に死亡者を出した場合の責任をどう考えるべきでしょうか。しかしその点を衝かれて彼は「What’s wrong with death?(死が問題か)」と開き直ってしまいます。これはやはり屁理屈でしょう。
手段を選ばずに自己の崇高な理想を追い求めても構わないと考える成績優秀な隣人を、私たちは本気で受け入れられるか。そう自問しながら見ると、私はこの映画にはやはり距離を感じてしまうのです。
崇高な理想を掲げて社会の制度を過激な手段で変革しようとする行為を、私たちは時にテロリズムと呼びます。手段はやはり選ぶべきであるという点からこの映画は目をそらしていると言えます。
人生に必要なもの それは、笑うということ・・・ そして誰かのために役立つということ。 死は誰にでもおとづれるもの。 人生というものの質を考えれば死など怖くない。 笑って、人間同士がコミュニケーションをとれば病気なんてならないのかもしれない。医者が治せない病気でも、まわりの人が助けることができることが沢山ある。実話にもとづいた映画というのもいい。 パッチ・アダムスのおかげで、何万人の人達が救われている。 クラウンドクターという言葉、今では欧米で定着しているようだ。
泣泣泣! ロビンウィリアムスの魅力満載! 笑わせてくれる!泣かせてくれる!感動させてくれる! 見事な三拍子です 笑いは笑いを誘い。元気を生み出し。幸せを作る。 人との関わりを暖かいモノに感じさせてくれる。 みんなで見ることも一人でも二人でも見れる作品。 感動作ロビンの演技に惚れ込んでしまった作品です。
いつか『発禁』になるかも・・ 〜もう言い古されたかも知れない小噺を1つ。 「おや、今日は○□さん来ていないネェ・・」 「ほんまやねぇ、どこか具合悪いんやろぅか?」 「病気治ったら、また通って来るやろ!」 診察受付前の診療所や病院の玄関が開くのを待ちながら、こんな会話を交わす『医療』が必要な人々。 〜〜 「国民皆保険」を誇る我が国で、その医療費を支える「元気な」労働者は本当に「健康保険」の受益者であり得ているのでしょうか? 〜〜 『笑い』が自律神経に作用して免疫を高め、ひいては疾病を駆逐する方向に働くと言う事は作品中でも述べられる如く、神経免疫学の近年の進歩によって、心理状態と発病の関係は驚くほど明瞭となり、全ての病気が心身症と思えるほどです。 〜〜 その事実を、身を以て患者に知らせ「友として」患者に接しようとする実在の医師・パッチの物語が、このような形で世間に流布され、これ以上(ある種の業界にとっての飯のタネである)一般人に知れ渡る事は非常に危険極まりない事だ! と、「業界団体」などは騒ぎ始めるかも知れません、『映画、パッチ・アダムスを発禁に!!』と。 〜〜 さぁ、そんな事態に至る前に、どうかご覧下さい! まずは今の医療環境に疑問を感じている、志ある医療関係者の方々こそ、真っ先にご覧下さい!! 〜
元気になる 落ち込んだときにこれを見ると不思議と元気が沸いてくる、そんな作品です。この映画を見ていると、前向きな気持ちになります。主人公を見ていると、人間が一番大事にしなければならないものは何なのかを思い出させてくれます。
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[ DVD ]
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キェシロフスキ・コレクションIII 「愛に関する / 殺人に関する短いフィルム」セット [DVD]
・ミロスワフ・バカ ・グラジナ・シャポウォフスカ
【ジェネオン エンタテインメント】
発売日: 2003-12-05
参考価格: 7,980 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,400円〜
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・ミロスワフ・バカ ・グラジナ・シャポウォフスカ
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カスタマー平均評価: 5
衝撃すぎて 初めてこの人の創った映像を見たときの衝撃は絶対に忘れることがないしこれ以上の私好みの映像に出会うこともないでしょうね。ストーリーとかなんとかどーのこーのじゃなくて、ただ映像が美しいんです。陰。影じゃないよ、陰。芸術作品。紛れもなく。しかし万人うけはまったくしないだろうな。。。ってことで何処にも売ってない。取り寄せるしかない。いやでもどっちの物語もすごい内容。本当にいろいろな意味で衝撃でした。ポーランド最高!ショパンもいるし!
音楽も映画もポーランドでしょ! 同国は天才監督が多いようだ。 ロマン・ポランスキ、アンジェイ・ヴァイダ・・・・。 このキェシロフスキもその一人。 このセットは、彼の名を一躍世界に知らしめた「十戒」をテーマとした10篇の短編映画集『デカローグ』の5、6篇目『ある殺人に関する物語』『ある愛に関する物語』を長編に仕立て直した両篇を収録したもの。余談ながら、キューブリック監督は「この20年間で真に傑作と呼べるものを一つだけ挙げろと言われたら、迷わず『デカローグ』と答える」と言っている。 『殺人』の方は衝動的にタクシー運転手を殺害する青年の、『愛』の方は向かい合わせた2つのアパートに住む覗く少年と彼に覗かれる女性の物語。 特に前者の7分に及ぶ運転手殺害シーンと10分に及ぶ青年の死刑執行シーン!は世界に衝撃を!与えた。 「ポーランドの政治や生活事情を匂わせるような作品は作りたくなかった」と語るキェシロフスキの目論見どおり、両篇とも普遍的な人と人との綾の微妙さ、繊細さをひしひしと感じさせる名篇となっている。 彼の作品は格別撮影上の技巧を凝らしたものではないにもかかわらず、常に新しい。 彼が、人間の関係が生み出すよもよもこそがいつの世も不可解で、あらゆるタイプのドラマを生み出すことを鋭く見据えていたからだろう。
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[ DVD ]
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黄金時代 DVD-BOX II
・チャ・インピョ ・キム・ヘス ・パク・サンウォン ・キム・ソナ
【エスピーオー】
発売日: 2009-03-25
参考価格: 15,960 円(税込)
販売価格: 15,960 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 9,500円〜
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・チャ・インピョ ・キム・ヘス ・パク・サンウォン ・キム・ソナ
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カスタマー平均評価: 0
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[ DVD ]
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イングマール・ベルイマン コレクション [DVD]
・イングマール・ベルイマン
【20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン】
発売日: 2004-09-17
参考価格: 13,440 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,500円〜
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・イングマール・ベルイマン
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カスタマー平均評価: 5
素晴らしい作品ばかり 「狼の時刻」、「恥」 「蛇の卵」
どんな内容なんだろうか?ベルイマンの作品だよな。「恥」は見当がつくが、あとの二つは、ベルイマンらしくはないタイトルだと思いました。
しかし、3作品とも佳作です。ベルイマン監督という先入観がなく観ることができたなら、良い映画だと思うことができるでしょう。
「沈黙」などの監督と思うと、ちょっと驚くかもしれません。
私は特に「狼の時刻」(1968)「蛇の卵」(1977)を薦めます。前者は、純粋なるホラー映画として、後者はドイツの表現主義へのオマージュと共にお金かかけると、ベルイマン監督はこういう映画もできるという意味でです。この2作品は本当に素晴らしい。
「恥」も「人格の崩壊」という意味では、ベルイマン監督、本来のテイストが味わえる内容です。各作品、コメンタリーも入っておりますし、監督、俳優のインタビューもあるので意外とお得です。さらには、特に「狼の時刻」「恥」での秀逸なるオーディオコメンタリー(映画研究家マルク・ジェルベ氏)は拝聴に価するものといえます。
最後に、購入のきっかけを作ってくれた、レビュアーのfwiw6180 さんに感謝いたします。
特典ディスクについて。 このBOXセット、「処女の泉」「第七の封印」「野いちご」などのベルイマン傑作群しか知らない人に是非、観ていただきたいと思います。(私がそうでした。)きっと新しい発見がありますし、ベルイマンの世界をまだまだ分かっていなかったなあということが実感させられると思います。未公開作ばかりでどうなんだろうと躊躇している方、絶対買ってよかったという満足感を得られると思います。限定版ということなので迷っていないで即購入かと。
最後に特典ディスクの映像について。1970年と2002年のインタヴュー映像が収められています。70年の映像は3作品の特典映像をひとつにまとめたもの+αで神の不在をテーマにしています。02年の映像は、現在のベルイマンの心境を窺わせて興味深いです。84才になっても創造という行為に真摯に向き合う姿勢には感動を覚えます。新作として用意しているドラマを観たいような、観るのが怖いような。ベルイマンの作品には失望したことがないし、でも黒澤やフェリーニの晩年の作品のように過去の自作を模倣したような作品は観たくないし。とにかく映画の歴史に確実に名を残すであろう名匠の作品、言葉の数々は必見です。クリエイティブな仕事に携わる全ての人にも観て欲しいBOXセットです。
「蛇の卵」最も興味深いベルイマン映画。 このBOXセットの中で最もベルイマンらしくないように見えて、最も興味深いのがこの映画です。とにかく1920年代のドイツベルリンを再現した映像に圧倒されます。重厚な色彩のスヴェン・ニクヴィストのカラー映像には鳥肌が立つくらいの・・・。何と言っていいのでしょうか。この映画の映像を観ていて思い出だしたのは、マイケル・チミノの「天国の門」のV・ジグモンドによる完璧な映像美です。リヴ・ウルマンいわく、「ディノ・デ・ラウレンティスにより強大な予算を与えられてベルイマンは舞い上がっていた。それまでのベルイマンが得意としていた人間を描くことよりも街路や建物の外観を描くことに夢中になっていた。それまでは15人程度のスタッフ、キャストで撮影していたのが100人規模の撮影になったのだからと。」でもこのお金をかけた豪華セット、美術はすこぶる魅力的。ベルイマンらしくないことで失敗作と見なされているようですが、ヒトラー台頭前の時代の空気を濃厚に感じさせるところに既にベルイマンの意図は成功しているのではないかと思います。これまで個人としての人格崩壊を描いてきたベルイマンですが、ここでは国家としての崩壊を拡大して描きたかったのではないでしょうか。蛇の卵とは、薄い膜を通して見える蛇(怪物)の姿を表しています。この映画はヒトラー蜂起の失敗で終わりますが、明らかに第二次大戦でのナチスドイツの怪物を作り出した土壌を描いています。二度と同じ過ちを繰り返してはいけないという強烈なメッセージとも思います。20年代のドイツ表現主義を再現したかったのではないかという映画研究者の発言(特典映像)がありますが、セント・アンナ病院の迷宮のような描き方を含め、何かフリッツ・ラングのドクトルMを思わせるところもあります。個人的にはこの作品を観るまではB級アクションスターという印象しかなかったデヴィッド・キャラダインがもの凄く魅力的で存在感を感じさせて素晴らしいです。 では、クルト・ワイルの三文オペラ ’アラバマソング’ を聴きながらこの映画の余韻を楽しみたいと思います。
「恥」戦争の悪を凝縮して描いた傑作!! 戦争は始まってしまうと敵も味方もない、残酷な殺し合いであり破壊行為である。この映画は、戦争の本質をストレートに伝えてくる。今観ても全く古びておらず、現代に通じる普遍的な悪(戦争)を描いている。また、戦争という暴力による人格崩壊のドラマでもある。製作年はベトナム戦争たけなわの頃であり、ベルイマンの静かな怒りが感じられる。映画は、戦争に訳も分からず巻き込まれていく夫婦の物語として進行する。なんとなく軍用車が増えてきたりして戦争が近づいているのを予感させる前半から、突然の軍用機の墜落・激しい爆撃、敵味方に拘束されての尋問と続くあたりは、まるで不条理劇のよう。気弱などちらかというと臆病な夫(マックス・フォン・シドー)が後半、妙に逞しくなっていくのが怖い。戦争による惨状を呆然と見つめる妻役のリヴ・ウルマンが好演。即興で撮ったという戦争前の夫婦の語らいの長回しのシーンでの表情・演技がまた素晴らしい。 「狼の時刻」と同様に特典映像、予告篇、音声解説、フォトギャラリー付き。このフォトギャラリーは枚数が多くて、撮影現場の雰囲気が伝わってきて良いです。
「狼の時刻」悪夢を描いたホラー映画? 出演者の一人エルランド・ヨセフソンは、この作品を '知的ホラー映画' と言っていた。とにかく映画の途中から映像に釘付けになり、画面を食い入るように観ていた。映画作家ベルイマンに興味のある方には必見の日本未公開作です。できれば内容を知らずに観るのがベスト。引き込まれます。ちょっとサプライズ的な楽しみもあるかも。(私には意外なベルイマンの一面が見えたように思えました・・・)「狼の時刻」とは古代ローマで信じられていた '深夜と暁の間の悪魔が解き放たれる時間' のことだそうです。午前3時頃らしい。 オープニングからスヴェン・ニクヴィストによるモノクロ撮影の画面が美しく、目を奪われる。MGMのライオンマークが付いてますが販売元はFOX。米国メジャーは流石にマスターが素晴らしいです。30分程度のメイキング(70年当時のベルイマン、02年のリヴ・ウルマン、ヨセフソンのインタビューが入っています)、予告篇、映画研究家の音声解説付。予告篇は、68年当時米国でのベルイマンの新作に対する期待の高さ覗えて興味深い。マックス・フォン・シドー(カッコ良い!ウルマンと共に主演です)、イングリット・チューリンが出演。 最後にウルマンの独白「男と女が一緒に暮らしていると、だんだんそっくりになってくるという。愛する人と同じものを見、同じことを考えたいと思う。幻覚まで共有してしまったの?」 芸術家(自身)の苦悩を描いた的な批評が多い作品ですが、純粋ホラーとしても面白いです。キューブリックの「シャイニング」なんかが好きな人にもオススメかもしれません。
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[ DVD ]
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リトル・ブッダ [DVD]
・キアヌ・リーブス ・アレックス・ヴィーゼンダンガー ・ブリジット・フォンダ ・クリス・アイザック
【東芝デジタルフロンティア】
発売日: 1998-10-25
参考価格: 5,040 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,500円〜
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・キアヌ・リーブス ・アレックス・ヴィーゼンダンガー ・ブリジット・フォンダ ・クリス・アイザック
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カスタマー平均評価: 3
輝くほどの映像美 輝くばかりのオレンジに近い赤をダンマ(仏教の本質)に、現代のシアトルにおける苦悩を青とした、統一感のある映像は、「シェルタリング・スカイ」とは異なる距離感をもつ美しさがある。最後、ラマ・ノルブ師が亡くなった後、母親が懐妊し、大きく膨らんだセーターの色は赤であり、少年ジェシーのジャケットは赤と青、父親は青とさせるなど、細微にわたって徹底しており、様式美さえ感じさせる。
ヘルマン・ヘッセの作品の内的洞察の1つの頂点である「シッタールダ」を絵にすると、このようになるのでは、と唸らせる作品であった。
絵本「小さなブッダ」の語りをもとに、世代を引き継ぐ師と弟子・親子の垂直軸と、選ばれた子供たち、その親である同世代の夫婦の水平軸から織りなす対話から、ダンマをシンプルに観客に示している。確かに物語としては平凡であるが、ダンマの基本的な概念はきちんと押えられている。
また、美しすぎる映像美に埋もれることなく、主となる俳優はもちろん、エキストラの人物の表情・視線さえも明瞭なアングルで撮られている。坂本龍一によるテーマ曲が最後の最後までリフレインし、エンドロールが終わった直後の最後のワンカットで見せる。監督の美学が完結した瞬間である。この最後を見届けなった方はおられるかと思う。
チベット仏教の西洋への紹介 数年前に映画で観て、久しぶりにもう一度見ました。作品自体は、高僧の生まれ変わりを探す中で、子供への語りという形で、ブッダの生涯を紹介していくというものです。その高僧が仏教を西洋へ広めることに関心を持っていたので、アメリカ人が候補者になったというのが、映画の変わった点でした。ただし、全体としては、東洋の神秘性を誇張するきらいがあり、西洋人の目から見た東洋、という印象が残りました。日本で紹介されていないものも含め、アメリカではチベット仏教やダライ・ラマに関する映画が、ここ数年で少なくとも3本は出ていると思います。中国の人権問題には常に反対しているアメリカですから、東洋文化の紹介においても、チベットという、やや特殊な国を採り上げたのだろうか、という感想を持ちました。
退屈 一言で言って退屈。ブリジット・フォンダを見るために映画を見たが、あまり見て楽しい役ではない。スピードの印象が強烈なキアヌ・リーブスもなぜ彼がこんな役を演るのという感じ。チベットに行ったことがある人なら、ぶら下げられた木を触りながら歩くシーンなど懐かしさを感じ、この映画が好きになるのかもしれないが、そうでない私は、ひたすら退屈し、終わりを待ちわびてしまった。貴重な時間をつぶしたくない人は見るべきではありません。
青いシアトル、朱のネパール とても印象的なのが、映像の色である。現代社会を象徴するシアトルは全体的に青っぽいイメージでとらえられている。主人公の男の子が住む家は特にガラス窓とコンクリート、ステンレスが多用されており、無機質で寒そうな街に見える。反対にネパールは朱色。人々の衣装も、街の煉瓦も暖色である。色だけで現代アメリカ対仏教社会の位置づけをしているわけではないが、色が効果的に(いささか単純すぎるくらいに)使われていて見ていてもとても美しく楽しめる。キアヌ・リーブスもインタビューであくまでも白人がみた仏教であり、ブッダであると思うと言っているが、一つのブッダ像を作り上げていると感じた。
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[ DVD ]
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赤毛のアン 特別版 [DVD]
・ジョナサン・クロンビー ・ミーガン・フォローズ ・スカイラー・グラント ・ローズマリー・ラドクリフ ・マリリン・ライトストーン
【松竹】
発売日: 2008-03-28
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 6,000円〜
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・ジョナサン・クロンビー ・ミーガン・フォローズ ・スカイラー・グラント ・ローズマリー・ラドクリフ ・マリリン・ライトストーン
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カスタマー平均評価: 4.5
画像が... 内容はかなり満足(できればあと60分くらい追加してくれたらベストだったが)ですが折角の美しい風景を現すには画像が残念です。ハイビジョン映像ならと痛切に思います。マスターテープが元々その程度なのでしょうかね。
すてきな映像 赤毛のアンの小説のすてきな雰囲気を、カナダの島の雰囲気をすてきな映像で再現しています。
アンの俳優もなりきっていて。素敵です。
大事な筋もかなり入っていてよい映画だと思います。
シネマスコープサイズにしてほしい 前バージョンから英語字幕が入ったのはよいのですが、またもや4:3のスタンダードサイズ。劇場ではワイドスクリーン(シネマスコープサイズ)だったんだから、同じにして欲しい!カナダやアメリカでは売っていないのかしら。
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[ DVD ]
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復活 [DVD]
・ステファニア・ロッカ ・ティモシー・ピーチ ・セシル・ボワ
【ケイエスエス】
発売日: 2005-01-28
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
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・ステファニア・ロッカ ・ティモシー・ピーチ ・セシル・ボワ ・パオロ・タヴィアーニ ・ヴィットリオ・タヴィアーニ
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カスタマー平均評価: 5
不朽の名作です この作品に初めて出会ってから35年ぶりに、このDVDを見ました。 中学生の頃に見たあのときの感動と、今の感動を比較するわけにはいきませんが、心の奥底にこたえるものがあります。いくら問いかけても答えの出てこない深い愛への疑問 この年になって トルストイの描く「人間の愛」の重みを考えさせられました。
(昔の愛は)「復活」するか? (「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等)文豪トルストイ(1828-1910)の永遠の大傑作「復活」の映画化。
(帝政から社会主義の転換期)ロシア革命(1917)前夜というべき時期に発表された作品だけに
小作人への農地解放等、社会主義を匂わせる描写があるだけに
トルストイの作品が革命への原動力の一部となったことが推測できるような気がする。
作品の表面的なストーリーは主人公の男が昔捨てた女に偶然(陪臣員として)
出廷した法廷で「ある冤罪事件」に巻き込まれた事実を知り、再燃した
恋愛の情と(娼婦と被告人の身分になってしまった)憐憫の情と
更には(その原因が自分にあるという)自責の念から苦悩し
私財を投げ売って冤罪の事実を晴らそうと奔走し、遂にはシベリア刑務所
までついていくという設定で、その過程での昔愛しあった2人の心理状況が
見事に描かれている。もちろん、トルストイらしく、作品の根底には人間の
本性そのものを問う大テーマが隠されているだけに通常の恋愛作品とは
一味違う人生そのものを考えさせられる何かがそこにある。
本作品も原作のイメージの世界を崩さず忠実に再現した大作だけに非常に
見ごたえのある出来栄えだったと思う。187 分という長時間だが、
ワンシーンとも無駄&退屈な描写もなく映像に吸い込まれるような大傑作だった。
監督を手掛けたパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟に拍手!
(監督とのコンビも多い)スコアを手掛けたニコラ・ピオヴァーニにも拍手!
そして素晴らしい演技を披露した諸々の俳優陣にも拍手!
2002年モスクワ国際映画祭グランプリ受賞した理由も寸分疑いなく理解できた。
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[ DVD ]
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そして人生はつづく [DVD]
・ファルハッド・ケラドマンド ・プーヤ・パイヴァール
【パイオニアLDC】
発売日: 2001-09-21
参考価格: 4,935 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,478円〜
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・ファルハッド・ケラドマンド ・プーヤ・パイヴァール ・アッバス・キアロスタミ
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カスタマー平均評価: 4.5
凄い! この作品を見た時、衝撃が走った。ドキュメンタリーでもないのに、俳優の芝居が感じられない。芝居をしない芝居と言う究極の映画だろう。今のテレビやアメリカ映画が好きな人には、眠くなるかもしれない。だが必見だ!
これは映画なのか? ジグザグ道3部作の第2弾。「友だちのうちはどこ?」の舞台になったコケルとポシュテの村が大地震に見舞われた。震災後、そこの人たちがどのように生活しているのか、そしてあの子供達は無事なのだろうか?本当に普通に震災後の人々を淡々と描いています。と、思っていたら登場人物が、本当の私の家はつぶれてしまった、この家は映画のために私の家ということになってる、みたいなことを平然と言っています。この監督はいったい何を考えているんでしょう?劇中劇みたいなもんでしょうか?ドキュメンタリーとして見ればヤラセになってしまいます。 で、まあ映画の中の目的は一人の子供に会いに行くことなんですが、いろいろな人に道を聞いてだんだん近づきます。そして最後の最後、その子供が歩いていくのが遠くの方に見え、車でジグザグ道や急斜面を走ります。そのラストシーンは、一瞬、えっ!!、となるんですが、その直後ほのぼのハッピーエンドにつづいていきます。だから人生はつづくのか。音楽もやさしくて上品っす。
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ハムレット ゴーズ ビジネス / マッチ工場の少女 [DVD]
・ピルッカ・ペッカ・ペテリウス ・カティ・オウティネン
【アップリンク】
発売日: 2002-05-24
参考価格: 5,229 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 9,455円〜
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・ピルッカ・ペッカ・ペテリウス ・カティ・オウティネン ・アキ・カウリスマキ
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カスタマー平均評価: 5
孤独のなかに灯火は灯るのか 映画の途中でふと思いました。
「これって“マッチ売りの少女”の現代版なのかも」
多分半分は当たってるんじゃないかと思います。だけどもう半分は大はずれ。
マッチなんて売ってたって(作ってったって)、いつまでたっても貧乏から脱却できるはずがありません。誰も救いの手を差し伸べてくれはしないのです。
だからマッチ売りの少女は、マッチの灯火の中(小説)に現実逃避を求めました。
ここまではいっしょ。
だけど違うのはここから。
マッチ売りの少女は最後まで現実逃避を続け、最後の最後、これ以上ない素晴らしい逃避の夢の中に身を置きました。
ですが、マッチ工場の少女は、途中で現実逃避をやめました。孤独な現実を直視し始めたのです。
一見、最初から終わりまで同じに見える少女の瞳の色が、途中で確かに「さみしい、だれか私を見て」という救いを求める色から、「私は1人で生きていってやる」という強く冷たい色に変わったのです。同じ寂しい瞳でも、その中身は全く違います。
マッチ売りの少女は、幻が消えても消えても新たな幻を作り続け、幻の中に、弱いけれど幸福な自分を創造しました。
マッチ工場の少女は、途中で幻を作るのを諦め、そのかわり現実の中に、強くみえるけどより不幸な自分を創造しました。
果たして、どちらが幸せなのでしょうか?
きっとどちらも不幸なのです。
1番の幸せは、当然現実の中で幸せになることです。
でもそれが出来なかった場合は、どちらを取ればよいのでしょうか?
この映画には、タバコを吸うシーンが数多く出てきます。タバコの先にはマッチによってつけられた小さな灯火。
だけどそこに見えているのは、希望でなく、むしろ絶望。人々の心の冷たさの象徴のようにも見えます。
マッチ売りの少女にとって、マッチの作る灯火は、希望を写すものでした。
ですが、マッチ工場の少女にとっては、もしかしたら最初からマッチは、絶望しか写さないものだったのかもしれません。
そう考えると、少女は、はじめからいつかは現実を直視しなければいけない運命で、どちらを取ればよいかではなく、それを取るしかなかったのです。
お伽話の世界よりもずっと、夢を見ずらくなった、現代の人間社会。
その中で自らの孤独に遭遇したとき、果たして私たちは、やさしい灯火を見つけ出すことができるのでしょうか?
夢みる少女じゃいられない♪ 「彼らは遠くの森の奥で飢え凍えて死んだのだ、そのように思えます。」(ガロン伯爵夫人『アンジェリク』の一節より)※『アンジェリク』は、ルイ14世治下の17世紀フランスを舞台に、貧乏貴族の娘アンジェリクが王権と宗教の力に屈せず、波瀾の人生を強く、華やかに生きぬく姿を描いた物語、原作は世界27カ国5000万人が読み、日本でも小説・漫画・宝塚歌劇団で公演されるなどした。 上記一節の引用後、延々とマッチの製作工程(共産主義への隠喩としてか?)が流れます。主人公はマッチ工場で働く「不幸」な娘イリス。両親と場末の古ぼけたアパートに住み、家に帰れば家賃をせびられ、売春婦と罵られる毎日。誕生日に母親からもらうプレゼントは決まって『アンジェリク』の古本一冊だけ。彼女が現実を忘れることができるのは、束の間に小説を読むときだけ。彼女はアンジェリクに憧れる「夢みる少女」でした。 周囲の冷たく無関心な人々。そして、ただ一度だけ好意を持った男からむごい仕打ちを受けたことをきっかけに、彼女の中で何かが芽生えます。それは、両親と同居するアパートを出る際、母からもらった『アンジェリク』を置いていく場面に象徴的に描かれますが、それと引替えに彼女は夢を叶えます。冒頭の予言「彼らは遠くの森の奥で飢え凍えて死んだのだ・・・」その言葉通りに。 彼女の不幸は停まることを知りませんが、大袈裟に嘆いたりせず、淡々と描いていくところに監督のどこか温かい眼差しを感じます。仕事に情熱を持つわけでも、将来に夢を描くわけでもなく、寡黙に翻弄されていく様に不思議なユーモアが溢れています。天安門事件ニュース映像のしつこいまでの挿入は「夢みる少女」からの決別へのメタファーでもあります。もっとも、中国はいまだ夢をみつづけようとようとしているようですが。極北の片隅でささやかな幸福さえも得られない人々をアイロニカルに描いたアキ・カウリスマキの代表作。
カウリスマキって3回言うと、ちょっとの間、嫌なことを忘れられる カウリスマキの映画のいいところは、登 場人物が笑わないのがいい。一回も笑う シーンが出てこない映画ってのも珍しいん じゃないか。ほとんどの人が、苦虫を噛み 潰したような顔をしている。人生が苦痛で しょうがないような人ばかりが出てくる。 中島義道じゃないけど、 「生きにくい、生きにくい」 とつぶやきながら、猫背で裏通りを歩くよ うな、そんな感じ。妙な癒し効果がある。
マッチ工場の少女 アキ・カウリスマキの「敗者三部作」中、これは最も暗く救いようのない物語である。登場人物の受難を、皮肉な泣き笑いで物語るのがアキの映画だが、「マッチ工場の少女」については全く容赦がないのだ。看板女優カティ・オウティネンが相変わらず無表情に演じるヒロインは、ささやかな幸福を求めてあがき、結局は信じ愛した者に裏切られてゆく。次から次へと不幸が襲うのは勿論アキの定番とはいえ、ブラックコメディというにはあまりにも悲惨である。結末に至っては絶句してしまう。 アキの作品には、テレビやラジオがよく出てくる。何度か見ているうちに気がついたのだが、「マッチ工場の少女」ではテレビで天安門事件が報じられるシーンが執拗に繰り返されているのである。 社会を変える可能性を信じて抵抗し、国家という巨大な怪物に為す術もなく踏み潰されてしまった人々の姿が、マッチ工場の少女に投影されていると感じるのは私の深読みだろうか。しかし、天安門事件の際に多くの人が感じただろうあの絶望感が、この映画にも漂っている。 アキは自分の主張を声高に表現するタイプの映画人ではない。それだけに、この天安門事件のリフレインは、重い。常に弱者を描いてきたフィンランド人監督の、この悲惨な事件を前にした心中いかばかりであったか。 アキ・カウリスマキの作品中、もっとも強く政治的なメッセージを感じる。個人的には、三部作中の最高傑作である。 裏切られ、踏みにじられ続けたヒロインが最後に試みる抵抗は、恐ろしくも痛ましい。 あれで彼女が少しでも幸せを感じられたのであればいいのだが。
これはすごい コメディなんだろうけど、作品の中で誰も笑わないし、笑わせようとしてないし、たんたんとした暗く悲しい話なんだけど、なぜかとにかくひじょーに笑えるんです。すごい映画です。
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