外国映画DVD店

追悼
最近ＮＨＫのＢＳでたまたま「太陽はひとりぼっち」を鑑賞しアントニオーニを知ってから、結構のめりこんで彼の作品を見ていた自分にとって、アントニオーニの訃報はかなりのショックだった。アントニオーニの存命さえ知らなかったとあるレビューで書いたところ、ある映画少年からお叱りを受けたが、スピルバーグは知っていてもアントニオーニの名前さえ聞いたことのない人がほとんどなのが現実。亡くなった日の翌日、ＴＳＵＴＡＹＡで本作品をＶＨＳ（ＤＶＤは置いていない？）で借りたが、アントニオーニの他作品はまったく借り手のみつからない放置プレー状態。朝日新聞で彼の死が報道されたところで、映画不毛の極東の地にあっては、この巨匠の存在を知る者は圧倒的に少数派なのだ。 さて、交通事故をおこした後遺症で精神を病むジュリアーノ（モニカ・ビッティ）は、子供にも夫にも頼りにされていない不安に怯える。ほっておくと自分の体が下に沈みこんでいくような錯覚を覚えるジュリアーノは、不安定な足元が気になるようだ。海面に浮かぶ大型タンカーがしつこいほど画面に登場するが、彼女の精神状態の心象風景だったのかもしれない。 色までもが恐怖に感じられる彼女は、白い壁の傍を好み、サンゴ色の砂浜のおとぎ話や、色のない部屋でのSEXに安堵感を覚える。色といえば、工場の煙突から吐き出される黄色い煙がある。「太陽はひとりぼっち」でも感じられたことだが、４０年前の時代にあって、アントニオーニが作品の中で環境破壊に対する苦言を呈している事実を見逃してはならない。海への石油垂れ流しや大気汚染の状況を、ジュリアーノの心象風景とからませながら、現代社会の抱える不安の一側面として表現しているような気がする。サンゴ色の砂浜で少女が聞いた歌声は、ガイアの放つ悲痛な叫びだったのだろうか。 追悼記事にも書かれていたが、（「欲望」を除くと）この「赤い砂漠」後のアントニオーニの作品に驚きがなくなっていくという。時代がアントニオーニの表現手法に追いついたというのが理由だった。関係性のない断片によって構成される彼の映画を、都会的な洗練と表現する批評家も多い。世界全体の都市化が進行する現代において、彼の表現が陳腐化するのは必定だったのかもしれないが、アントニオーニが断片化する人間の孤独を同時に描いていたことを、けっして忘れてはならない。
「孤独」を描いた映画では最高傑作
絵画で言うとムンクの作品を見ているような気持ちになります。やはり一言で言うと「神経症の世界」ということになるのかも知れません。変な比較ですが、これを観ていると、たとえば北野武の描く「孤独」がいかにキザでいい気なものに過ぎないかということが良くわかります。実に淡々としている映画ですが随所に差し挟まれる不協和音的なエピソードやくすんだ色彩がこちらをどんどん不安にしていきます。「神経症の世界」と言っても、実は現代は誰でも多かれ少なかれある種の「神経症的病」を病まざるを得ない時代でしょう。その意味ではこの映画は決して古びることなく、むしろこれからますます多くの「現代人の心」を掴んでやまないものになっていくのではないかと思いました。この作品はものすごく寂しい映画で「最終的な救い」もありません。まただからこそ、中盤あたりで差し挟まれる「砂丘と海と少女」のシーンが妙に美しく、最後まで胸に焼き付いて離れない印象深いものになるのでしょう。辛い映画なのですが、私には忘れがたい傑作映画の一つです。
見るほうも彷徨う
　若きリチャード・ハリスがそこにいる。そう言えば彼は国際的俳優だった。モニカ･ヴィッティは、本当に「愛の不毛」たる演技である。
　初のカラー作品に挑んだアントニオーニ。この映画に出てくる工場の原色と周りの白とも灰色ともつかぬ霧や壁。ヒロインの心の病が見事に反映されている。どこまでも彷徨う、どこまでも･･･。

　アラン・レネほどではないが、普通のドラマとして観るには難解。ヒロインの台詞はまともなようで、不安に満ちている。音楽もメロディーを逸脱しており、見ているほうもヒロインと同様に彷徨う気がする。
my BEST flick!
訳もなくマイベストの１本です。最高にくだらない意味のない美しさ！(
これを宣伝文句では愛の不毛と言うそうです。)情事他よりヴィッティの演技が特に秀逸だと思います。　フィルもの状態もgood
アントニオーニ初のカラー作品
監督も女優もこの作品から現代に突入したとも言えるだろう。モノクロフィルムとは、（今でもある意味では）懐古調な鑑賞を楽しむ趣向が見受けられるものだが、この作品からは、高度成長期の現実化した情景を映し出している。DVDジャケットが表すように、色彩にはかなり凝ったつくりをしている。また、アントニオーニの作品において、子供のいる中流家庭がモチーフになった点も珍しいのではないだろうか？
　恋人であったモニカ・ヴィッティに、それまでのユートピア的映像ではなく、リアルな存在感を与えている点も興味深い。

体温
心を病み閉ざされた世界にいる少女が少し知恵の足りない男の子の純真さに次第に心を開いてゆくなんてあんまりなメロドラマじゃないか､とも思った｡ だけどヴェンダースのメロドラマは嫌いじゃない。 まんまとひたって、途中2人が幸せになれない予感に胸がつまった｡ ﾐﾗが魅力的だった｡ﾐﾗは演じるのを忘れた一瞬がいい気がするんだけどどうだろ？ ﾐﾗが演じるｴﾛｲｰｽﾞはいつも裸足だ｡ 現実ではないどこかに自分の心を縛っているのとはうらはらにとても自由で無防備に見える｡どこか違い場所を彷徨う風のような存在｡瞳は全然目の前を見ていない。自分の眉間のそのうしろにある国を見てる。 誰かと仲良くなるのは、誰かの心にこんな風に住みたいからなのかもしれない｡ そう思ったら、なんだか涙が出る。
純粋でいる事の痛み
U2のボノの原案を基にした映画。
衝撃的なオープニングにまずは度肝を抜かれる。
社会からはじきだされた人々の集まり「ミリオンダラーホテル」。
無気力で、特に生きる目的もなく生きている人々。
まさしく現代の一部分を切り取っているシーンであろう。
そんな中で純粋に恋する主人公、知能障害者のトムトム。
純粋な事が、時にどれ程の痛みを伴うかって事が伝わってくる。
常にシリアスという訳ではなく、多少ユーモアを含んだ部分もある。
ビートルズ好きじゃないとわからないだろうけど（笑）
極上のファンタジー
前から気になるなあと思ってたけど、ミラ・ジョボビッチとメル･ギブソンが
キャスティングということで、なんとなく手がのびなかった。
期待せずに観始めたけど、すぐに引き込まれた。登場人物の表情の豊かなこと。ミラって昔はモデルあがりで綺麗なだけだね、と思ってたけど、とても演技が上手くなったと思う。とても可憐な妖精のような役がぴったり嵌まっていた。
あとティム･ロスがちょっぴり出てたのが嬉しかった。IZZYだよね。
あと音楽もとてもマッチしていて、U2そして、イーノ達も加わったミリオンダラー・ホテル・バンド。サントラもチョット欲しくなりました。
なんだか久しぶりにイノセントな映画を観たなあ。
意外な傑作。
ヴィム・ヴェンダースはすごい監督なんだけど、
どうも近年の作品は間延び気味で、見るまでずっと疑っていた作品。
でも、見たらなんといいこと。
結構テンポもよく彼もこんな作品を撮れるのだと感嘆しました。
ハートにジュワ〜ッとくる映像詩。
a�?a-?a?￣i?"a??e-"a?Ra??a?ca??a?§a??a�?a?¨a??a??a??a??a??a�?a??a?Ra?°a??e-"a?Ra??a?ca??a?'a??a??a?§e!¨c??a?-a??a??a?¨a?-a?|a??a??a?Ra??a?"a??a?aa?￣a?aa??a?-a??a�?a??a?-a??a�?a-?ec?a?Ra，-c??a?'a?3a??a??a?'e?¨a??a??a??a?|a??a?£a?¨ec3a?-a??a??a??a?-a?-a??a??a?¨a??a??a?¨a�?a?"a?Ra??a??a?aa??c"≫a??a?oa?\a，?a??a??a?Ra?§a?￣a?aa??a??a??a??a??a�?a?¨a�?a?£a??a�?a?aa??a?-a??a?3a?°a�?a??a??a?'a?Ra??a?aa?aa?3a?�a?ca??a??a??a?≪a±?a，?a?Ra...?a?￣a?￣a1≫a?3c??a?§eccc??a??a�?c?≫a?'aooc?ca??aooa�...a?Ra??a?Ra，-a?≪a??a?"a?§a??a??a??aooa?Ra??a??a??a�?
a?"a??a?aa?￣a?aa??a?-a?￣a�?a??a?¨a...±a?≪a??a??a?≫a??a??a?|a?-a??a??a�?a?-a??a?-a�?a?"a?Ra�?a??a?aa?aa?3a?�a?ca??a??a??a?≪a�?a?￣a?≪a°，a??ea?a??c¶?a??a??a?|a??a??a?§a??a??a??a??a??a?1a??a??c"≫a??a?¨a�?a??a�?
i?μi?'a??a?!a?3a?￣i?μi?'a?Ra�?ecca�?a?Ra，-c??a?'a??a??a・±a??a'3a??a??a??a??a??a??a�?

i?μi?'a??a?!a?3a??a??a?aa??aooa?￣a?￣e??a?"a?Rac?a??a?≪i?μi?'a?Re?3a\?a?≪a??a?\a?-a?|a?≫a?-a??a�?i?μi?'a??a??e�...a?Raooa?￣a�?a?"a?Ra??c"≫a?Ra?μa?|a?3a??a??a!!?ca??a?￣a?§a??c"≫a?Re?°a?2a°-a?≪a??a??a?-a?aa??a??a??a?Ra??a??a??a?-a�?a'?a\?a??a?!a?3a?§a??a??i?μi?'a?'e?'a??a??a?"a?¨c?!a??aooa?≪a?￣a≫\a，?a?Ra?¢a?≪a??a??a?'a??a?§a??a??a??a�?
a?...a�?ALL THAT YOU CAN'T LEAVE BEHINDa�?i??
c??a??c?1a?§a?Ra?�a-°a??a�?a?!a?aa??a?≪a?"a?Ra?¢a?≪a??a??a?Ra?¨a?3a??a?£a?3a?°a�?THE GROUND BENEATH HER FEETa�?a?￣a??c"≫a?§a??a?�a??a?≪aμ?a??a?|a??a??a�?a??a??a?"a?Ra?¢a?≪a??a??a?≪a?￣a�?a??a?\a??a??a?¬a??a?�a??a�?a?Ra�?ELEVATIONa�?a??a...\a?£a?|a??a??a�?a?-a??a?-a?¢a?≪a??a??a...¨a?"c??a?≪a?￣a�?a??a?aa?aa?3a?�a?ca??a??a??a?≪a�?a?Re?°a?2a°-a??a?¨a�?a??a�?
a?...a�?JOSHUA TREEa�?i??i?μi?'a?'a，-c??a?Re??c?1a?≪a??a?-a，?a?'a??a??a??a�?a?"a?Ra??c"≫a?Ra??a!?e�...a?§a??a??i?μi?'a?Ra??a??a?￣1987a1'a??a??a??c"≫a?Ra§?a?3a?'c・'a??a§?a??a?|a??a??a??a??a??a??a�?a?"a?Ra1'a?≪c?oe!¨a??a??a??a?Ra??a?"a?Ra?¢a?≪a??a??a�?a??c"≫a?Ra??a?!a??a?，a?'a?・a??a?¨a??a??a??a?2a??a??a??a?Ra?￣a??a??a?Ra°-a?Ra??a??a??a??a??a??i??
a?...a�?ZOOROPAa�?i??a??c"≫a?Ra?aa??a?-a??a?3a?°a?§aμ?a??a?|a??a??a�?THE FIRST TIMEa�?a??a...\a?£a?|a??a??a?¢a?≪a??a??a�?a?§a?'a??a??a?2a??a°'a?aa??a?¢a?≪a??a??a?§a?aa?Ra?§a??a??a??a?£a??a??a'3a?§a?￣a?°a'3a?aa?¢a?≪a??a??a??a??a?-a??a?aa??a??a�?a??a?¨a?aa??a1≫a?3c??a?§i??a?¨a??a?≪a'!Baby facei??a�?a?"a?Ra??c"≫a?Re?°a?2a°-a?£a??a??a?2a??a??a??a??a??a?≪a�?a?£a??a?Ra?§a�?

雰囲気が最高
何気なく見た映画でしたが、あまりに感動して次の日も見にいったのを覚えています。役者たちの演技のすばらしさ、映像の巧みさ、何より映画全体の雰囲気が最高でした。主役の女性がとてもかわいくて、最後の終わり方もすごくよかったと思います｡これが映画だなあと思いました。この監督の他の作品も見てみたいと思いました｡
世界映画
結構細部を観ると、テイクミスがあったりします（笑）
それは監督も承知の事。そんな事より重要なのは、作品全体を観た時！
もちろん総合評価は満点です！！！
監督の・・・これはドイツ映画と言われているが、そうでない。
世界各国、どの人々が観ても、物語を感じれる世界映画だって言葉がしっくり合う作品です。

主人公の視点で描かれている様な、映像のカラー。
内と外。又ヒロインが泳ぐシーンは必見です。
広い海で泳いでいる様な、ユラユラときらめく光具合が素敵でした。
myDVDコレクションの一つに入れておきたい作品です！お勧めっ
ｷﾗｷﾗ
キラキラキラキラと、青く色づけされたフィルムに映る東欧の景観がひたすらきれいで目を見張る映画。町外れにポツンとたつ一軒の公衆プールを舞台に、白黒＆サイレントという思い切った手法で幻想的な寓話を紡いでいく。カラックスの３部作以来の日本登場となるドニ・ラヴァンは外見は老いたがピュアな存在感は少しも変わらず。ロシアの新星、チュルパン・ハマートヴァのかわいさが口元をほころばせ、生きているかのようなプールの悲哀を盛り上げる。
鈍く煌めく廃虚とプール
まず、セリフがほとんどない。世界共通の言葉と名前ぐらいしか出てきません。それでも話がわかってしまうのは俳優陣の豊かさかもしれません。
モノクロ映画にカラーセロファンを重ねて見るような色彩感覚。その色はコロコロ変わり、子供の頃見た夢の中のような映像美！

剥製の鳥が飛び、おもちゃのジオラマがそのまま町へ。バロックな屋内プールは崩壊寸前、配管だらけの穴だらけ。引き出しだらけのピストン屋、金魚と泳ぐ裸の少女。
吊るされた沢山の地球儀ランプに囲まれて、ハンモックで夢見る無垢な青年は、廃虚同然の建物から、いつしか恋を知り、未知の国ＴＵＶＡＬＵへ冒険の旅に出ることを夢見るようになる。

主人公アントン役のドニ・ラヴァン（『ポンヌフの恋人』）が最高だし、エヴァ役のチュルパン・ハマートヴァ（『ルナ・パパ』『グッバイ、レーニン！』）には誰もが恋をしてしまう筈。
映像と美術が素晴らしく、『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』『ホテル・スプレンディッド』等と、ジャック・タチの融合のような映像世界です！